「接客が上手い人」と聞くと、どんな特徴を思いうかべますか?
- 表情が明るい
- 言葉づかいが丁寧
- 話しをちゃんと聞いてくれる
など、いくつか思いつくのではないでしょうか。
でも実際それらのイメージは、販売員が最低限そなえておくべきマナーであって「接客が上手い人」の特徴とはいえません。
つまり「接客が上手い人」は、最低限のマナーをそなえたうえで、+の〇〇をしているということ!
その○○が気になるよ~!
そこで本記事では「最低限のマナー」と「接客が上手い人の特徴」ををわけることで、接客が上手くなるための実践的な内容を紹介しています。
以下の内容にそって、わかりやすく説明しますね。
- 接客が上手くなるとどんなメリットがある?
- 販売員としての最低限のマナーとは?
- 接客が上手い人の特徴5つとは?
明日からすぐに実践できる内容なので、スキルアップを目指す販売員さんはぜひ最後までご覧ください♪
本記事はこのような方にオススメ
- 接客が上手くいかず悩んでいる
- 基礎的な接客方法を見直したい
- すぐに使える実践的な方法がしりたい
⇒「接客で大切なこと」を基本編・応用編・NG行動にわけて解説
接客が上手くなると得られるメリット
「接客が上手くなりたい!」と思っている販売員さん。
実際にどのようなメリットがあるのかご存じでしょうか?
メリット
- 個人売上、店舗売上アップにつながる
- お客さまにお買い物をたのしんでもらえる
- 店内の雰囲気が明るくなり入店アップにつながる
直接的なメリットは、ずばり『売上アップ』。
販売力のある店員は「接客が上手い」といわれますよね。
接客が上手くなると、同時に販売力が身についていきますよ♪
また、接客が上手い人を想像してみてください。
接客されているお客さまたちは、お買い物をたのしんでいる人が多くありませんか?
そのお店が好き、その店員が好き…
いずれにもブランド(人)のファンである、もしくはファンになる可能性が高いといえるでしょう。
わざわざ足を運んでくれるお客さまがいらっしゃるだけでも、販売員としてのモチベーションは上がります。
そして最後に、お客さまと盛り上がっているお店には入店しやすくなるメリットが!
販売員のお仕事は、お客さまがいてからこそ成り立つもの。
入店なくしては、なにも始まりません。
店内でたのしそうに話すお客さまを見かけると、なんだか気になっちゃいますよね。
接客が上手くなることは自分だけでなく、お客さまにとっても店舗にとってもメリットがたくさん!
でも、私にもそんなことができるのかちょっと心配…
正直、すぐに周りの反応がかわるとはいえません。
ただ、次の章から紹介する「マナー」と「特徴」を理解し、日々の接客のなかで実践できれば1ヶ月後、2カ月後と変化を感じられるでしょう。
はじめは考えながらの実践。
慣れたときには、あなた自身の行動パターンがかわっているはずです。
本記事で紹介するマナーと特徴はあわせて10項目。日々の「チェックリスト」としてお使いいただくのもオススメです。
では、さっそく「最低限のマナー」から見てみましょう。
販売員としての最低限のマナー
販売員としての最低限のマナーはつぎの5つです。
- 表情が明るい
- 身だしなみを整える
- あいさつをする
- 丁寧な言葉をつかう
- しっかり話を聞く
ここでは「お客さまにあたえる印象」に影響する内容が多く含まれます。
上記5つの項目がクリアできているかいないかで、お客さまの反応が大きくかわってきますのでしっかりおさえましょう。
表情が明るい
メラビアンの法則をご存知ですか?
人の第一印象は3~5秒で決まるというものです。
ということは、接客がスタートしてから表情をつくるのでは遅いということ。
想像してみてください。
あー!ここのお店気になるー!
入ってもいい?
うん、入ろ入ろー!
やっぱり辞めようかな。なんかあの店員さん、無表情でこわいよ……
店内にだれもいないからと、ぼーっとたたずむ販売員。
これでは入店のハードルが高いですよね。
お客さまは、いつどのタイミングでこちらを見ているか分かりません。
歯を見せて満面の笑みをつくる必要はありませんが、広角をあげ自然にゆるむ目元を意識するだけでもお客さまが受ける印象はかわりますよ。
身だしなみを整える
前項につづき、こちらも見た目に関すること。
いくら表情が明るくても清潔感が欠けていたり、服が乱れていたりするとそれだけで信頼感が損なわれてしまいます。
とくに身だしなみは表情とはちがい、前だけでなく横、後ろからも見られているということ。
頭の先から足の先まで気を抜くことはできません。
店頭で身につけているものには普段から気を配り、アイロン掛けや汚れのチェックなど自宅でのケアを怠らないようにしましょう。
あいさつをする
まず、店内に入ってこられたお客さまに気付いてあいさつをする。
当たり前のことですが意外とできていない販売員が多いのが事実です。
店員が後ろをむいてて気づいてもらえないことが何度かあったな~
入店したお客さまは「気付いてもらえなかった」と感覚的に思ってしまいます。
距離が離れていたり接客中は、ちらっと目が合った時に会釈するだけでも構いません。
また、退店の際のあいさつも同様。
お客さまはあいさつが聞こえないと「なにも買わなかったから言ってくれなかったのかな」と不安に思います。
もちろん、全てのお客さまがそうとは限りません。
そういったお客さまもいるということです。
当たり前のことがおろそかにならないよう、日頃から心がけましょう。
「私はあなたに気付いていますよ」「何かあればお声がけください」と感じてもらうだけでも滞在時間がかわってきますよ。
丁寧な言葉をつかう
接客業をしていると、さまざまな年齢の人と会話をする場面が多くでてきます。
どのようなお客さまへも敬語をつかった丁寧な言葉づかいが接客の基本。
コミュニケーションを円滑にするだけでなく、販売員としての信頼感アップにも欠かせません。
ただ、何度もお店に足を運んでくれているお客さまに対して、あまりにも堅苦しい言葉づかいは心の距離がちぢまらず好まれないことも。
少し肩の力をぬいた親近感のある言葉をえらんでもよいでしょう。
だからといって、明らかに目上のお客さまへフランクに接しすぎると失礼にあたります。
中にはラフな関係を好むお客さまもいらっしゃいますが、あくまでも「販売員」と「お客さま」。
それぞれの立場をわきまえ、適切な言葉づかいを心がけましょう。
しっかり話を聞く
販売員のお仕事は「お客さまのニーズにあう商品を紹介し、販売すること」です。
ここで注意してほしいのが、後者の「販売すること」に注力しすぎてしまうこと。
自店のオススメ品や人気商品を売り込みたいあまり、思わずしゃべりすぎてしまうから。
まずは、前者の「お客さまニーズにあう商品紹介」を意識してみてください。
お客さまがなにを探しているのか、なにに悩んでいるのかを聞く必要がでてきますよね?
つまり、ヒアリングが大事だということ。
また、お客さまがなんでもないプライベートなことをお話しされた時はチャンス!
そこからお客さま自身も気付いていないニーズが見つかることもありますよ♪
しっかり話を聞く。
お客さまが「この店員なら悩みを解決してくれる」と感じてくれるだけでも、ほかの販売員より一歩リードです。
接客が上手い人の特徴
最低限のマナーをおさえた上で、接客が上手い人にはどのような特徴があるのでしょうか?
じつは、特別なことではなくだれでも習得できるちょっとしたスキルを身につけているかいないかのちがいなんです。
そのスキルは全部で5つ↓
- 話し方に抑揚がある
- 豊富な知識をもっている
- 提案力がある
- お客さまのペースに合わせる
- お客さまを褒める
本章では、意識してほしいポイントとともに実践的なテクニックを紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
話し方に抑揚がある
お客さまが会話をたのしみ、グイグイ販売員の話にのめりこんでいる。
接客が上手い人の周りには、このようなお客さまが多い印象を受けませんか?
話す内容がおもしろいということもありますが実はそれ、販売員の話し方に抑揚があるからなんです。
話し方に抑揚をつけると、このようなメリットが↓
- 相手の関心を引きつける(集中力を継続させる)
- 重要な部分を際立たせる(説得力がそなわる)
- 話にリズムがうまれ相手に心地よさを与える(理解しやすくさせる)
簡単にいうと、お客さまが飽きないということ!
飽きさせない話し方…具体的になにをすればいいの?
意識する点は3つあります。
- 話すスピードにメリハリをつける
- 声の強弱を意識する
- 間を利用する
以下でくわしく見てみましょう。
①話すスピードにメリハリをつける
通常時は早すぎず遅すぎず、相手が聞き取りやすいと思えるスピードを意識してください。
ただ、絶対に聞き逃してほしくない重要度の高い内容を伝える際は、話すスピードを落とすことをオススメします。
たとえば
- 再入荷したばかりの商品のご案内
- 希少な糸を使用した素材の説明
など。
急に話すスピードが変わることで、お客さまも自然と「なにか重要な内容なのかな?」と構えてくれるからです。
②声の強弱を意識する
強調したい部分、断言したい部分では声のボリュームを上げることで相手の記憶に残すことができます。
一方、あえてボリュームを落とすことで相手の記憶に残すことができる場合もあります。
それは、その人だけに伝えたい内容がある場合です。
実はこちらの商品、本日一着だけ再入荷したんですが
お客さまにお似合いかと思いお持ちしました。
いかがですか?
きっとお客さまは「ほかの誰でもない私にだけ」という特別感を味わうことができるはずです。
③間を利用する
「間」は会話のキャッチボールにおいて、重要な役割を果たします。
ただ、あった方がいい、ない方がいいと一概には言えないことが難しいところ。
間がありすぎると「聞こえなかったのかな?」と不安に思わせてしまう反面、会話の内容に驚いたあまり声が出ず間があいてしまうことだってあります。
逆に、間がなくどんどん話がつづくと「言いたいことだけ言って最後まで話を聞いてくれない」と不満を与えてしまいがちですが、お客さまの質問に対しては間をつくらずテンポよく答えたいところ。
じゃあ、どうすればいいの!?
適度に「相づち」をうちましょう。
相づちをはさむことで会話のテンポが窮屈になることや、間があきすぎて微妙な空気感になることを回避できます。
その時の状況やお客さまの反応に合わせて、しっくりくるタイミングを見つけましょう。
豊富な知識をもっている
聞けばすぐに返事があって、どんな些細なことまでも丁寧に教えてくれる販売員には誰もが憧れるはず。
接客が上手い人は、どんな悩みにも応えられるようたくさんの知識をもっています。
お客さまがあるショップに訪れる際「そのお店にはその道に詳しい人がいる」と思っているのは当然のこと。
服のことに詳しくないお客さまへも安心して納得できる情報を提供できることは、そのショップとスタッフへの信頼につながります。
また服の素材や特徴はもちろん、ブランドをいくつか揃えているお店では各ブランドごとの知識も必要。
自店のコンセプトや、オリジナルの情報なども伝えられるとなおいいでしょう。
他店との違いや自店のこだわりに共感しくれるお客さまは、長く通ってくれる傾向があるんです。
自宅でできるケア方法も喜ばれる情報のひとつ
気になっていても自宅でのケアができなかったり面倒だったりで、購入を諦めるお客さまは少なくありません。そのような時に、実際に自分がつかっている便利グッズや簡単なケア方法を紹介すると悩みが解消されスッキリとした気持ちでお買い物していただけます。
お客さまが何を知りたがっているのか。
まずはそこを考え、自分が身につけるべき知識のジャンルを決めていきましょう。
提案力がある
接客が上手い人を見ていると、お客さまの「これこれ!これが欲しかったの!」という場面を見る機会が多くありませんか?
お客さまが求めるものを的確に提案するには、つぎの2つがカギとなります。
ニーズの確認 × 商品知識
ニーズの確認は前章『最低限のマナー』で、商品知識は前項でも紹介した『接客が上手い人の特徴』のひとつです。
つまり、最低限のマナーをととのえたうえで商品知識をそなえると、おのずと提案力向上が期待されるということ!
なんだか一石二鳥感がスゴイ♪
いろいろなスキルが身につくと、その先にある新たなスキルの習得につながることはたくさんあるんですよ。
高い提案力は、お客さまの悩みに応え信頼感につながる大事なスキル。
頼りにされる販売員の特徴といえるでしょう。
お客さまのペースに合わせる
あまり知られていませんが……
接客が上手い人こそお客さまのペースに合わせることができています。
お客さまそれぞれのペースを意識できていますか?
店内をゆっくり見たい人、スキマ時間に必要なものだけをササッと買って帰りたい人などさまざまです。
「何かないかな?」と店内をゆっくり見ている人は、比較的時間に余裕のある方。
いろいろな服の組み合わせを紹介したり試着をしてもらったりと、その場を楽しんでもらうことで印象付けることができます。
逆に急いでいる人は、決まったアイテムや色に注目して店内を回る傾向にあります。
そのような人への丁寧すぎる商品紹介や商品説明は避けるべき、相手のペースを考えていないも同然。
迅速なニーズ確認からオススメする理由を的確にまとめ、簡潔に伝える方法が向いているでしょう。
お客さまの時間の使い方を尊重することは結果的に、居心地のいい空間作りにつながりますよ。
お客さまを褒める
接客が上手い人は、つねにお客さまのいいところを探しています。
それがお客さまのためにも、自分のためにもなることを知っているから。
褒められたお客さまはうれしいけど、自分のためにもなるってどういうこと?
個人の売上アップはもちろん、やりがいにつながるということです。
たとえば「お客さまを褒める」ことで、以下3つのメリットが得られますよ。
- その場をたのしんでもらえる
- お客さまが気づいていない、自身の「魅力」に気づいてもらえる
- 商品提案がしやすくなる
順にみてみましょう。
①その場をたのしんでもらえる
人は純粋に褒められるとうれしいもの、自分を褒めてくれる相手には自然と警戒心が弱くなります。
こんな感じに↓
あの店員さん私を褒めてくれたわ…。
悪い人ではなさそうね。
また、お客さまは心のどこかで「なにかいいの見つかるかな?」「自分に似合うものがあるかな?」と少しばかりの不安を持ち合わせています。
初めて入るショップならその不安はより一層強まるでしょう。
そんな中、褒めてもらえたという事実が「自分をみてくれている」「興味をもってくれている」という安心感につながるのです。
安心感は、その場をたのしむためには欠かせない感情。
お客さまを褒めることで見えてくる、かすかな表情の変化を逃さないようにしましょう。
②お客さまが気づいていない、自身の「魅力」に気づいてもらえる
すぐに見てわかるような褒め言葉は、お客さまも聞き飽きているはず。
さっきのお店でも同じこと言われた…
お決まり文句なの?
そう思われないためには、お客さま自身が気づいていない魅力的な一面に気づいてあげること。
入店~接客をとおして、お客さまを隅々まで観察してみましょう。
じろじろ見ると不審に思われるので、さりげなくね!
たとえば
- ピアスとネックレスに同じモチーフが使われている
- 髪の先までしっかり手入れされている
- 今流行りのアイメイクをされている
↑このほかにも、注目すべきポイントはたくさんあります。
コツは「オシャレですね」と一言で終わらせるのではなく、具体的に褒めること。
好きなことや潜在的に見てほしいと思っている部分に気づいてあげることで、とても喜ばれる場合が多いです♪
「自分はほかの人よりできているんだ」という自信になり、前向きな気持ちでお買い物をたのしんでもらえますよ。
そういったお客さまの姿を見られることも、接客業の醍醐味ではないでしょうか。
③商品提案がしやすくなる
服の力でお客さまの魅力を最大限ひき立たせることも、販売員の役目。
ニーズを聞きだしそれに合う商品を提案することが重要だと前述しましたが、ニーズとは別の『販売員目線での似合わせ』も持っておきたいテクニックのひとつです。
お客さまの魅力的な一面を見つけられていれば、あとはその魅力を活かす商品を探すだけ。
漠然としたイメージの中から探すよりも、お客さまに対する情報量が増えたことではるかに商品ピックの精度が上がっていると実感できるでしょう。
またこの過程を経て選んだ商品は、お客さまの本来の目的ではなくても気にいっていただける可能性は十分にあります。
なぜなら「自分のことをちゃんと見てくれている店員さんがオススメしてくれた」という信頼関係がきずけているから。
紺色は探してなかったけど、たしかにネックレスのゴールドが映えてステキ!!
『お客さまの魅力的な一面』を『具体的な褒めことば』として伝え、的確な商品提案までの流れをつくっていきましょう。
まとめ:ちょっとしたスキル習得が必要!
本記事では「販売員としての最低限のマナー」と「接客が上手い人の特徴」をそれぞれ5つ紹介しました。
最低限のマナー
- 表情が明るい
- 身だしなみを整える
- あいさつをする
- 丁寧な言葉をつかう
- しっかり話を聞く
接客が上手い人の特徴
- 話し方に抑揚がある
- 豊富な知識をもっている
- 提案力がある
- お客さまのペースに合わせる
- お客さまを褒める
よりよい接客をめざすには、現状からのスキルアップが欠かせません。
目標をひとつクリアする
||
新たなスキルが身につく
あなたはどのスキルから身につけていきますか?
確実に一つひとつクリアして「接客が上手い!」と周りをうならせちゃいましょう!
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