「特別な資格はいらない」「だれでもなれる職種」
このように言われることが多い接客のお仕事。
私も6年程ほどアパレル販売員をしていましたが、無資格な上に未経験で入社しました。
その間もとくに、これといったスキルが身についている感覚もなく過ごしていましたが……接客業をはなれた今、身についていたさまざまなスキルに気づかされたのです。
どうやって気づいたの?
転職を前に自らおこなった、キャリアプラン設計の過程で気づいたよ。
点数や資格のように形として表されないスキルは、身についていてもなかなか気づけないもの。
もしかしたらあなたも、隠れたスキルに気づいていないのではないでしょうか?
そこで本記事では、接客業で身につくスキルを一挙ご紹介します!
とくにアパレル販売員さんは必見!
- そもそも汎用性のあるスキルなのか
- どんなスキルが身につくのか
- 接客業で身につく意外なスキルとは
- 転職後も活きているスキルについて
私自身の経験にもとづく部分が多くなりますが、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
本記事はこのような方にオススメ
- 身についたスキルを自分でみつけられない
- 接客業で身につく意外なスキルを知りたい
- 他業種・職種にも通用するのか気になる
接客業で身につくスキルの汎用性
まず気になるのが、接客業で身につくスキルの汎用性。
冒頭で述べたように「接客業に資格はいらない」や「だれでもなれる職種」と聞くと、特別なスキルは身につかないのかな?と思ってしまいますよね。
なんの心配もありません!汎用性はしっかりあります!
販売員には、どの職業でも求められる立派なスキルが身についていますよ。
たとえば、接客業で身につくスキルの代表『コミュニケーションスキル』。
最近は在宅ワークも広まっており、自宅で・一人で仕事をする形が増えてきましたが、「人」と一切関わらないわけではありません。
所属している企業はもちろん、フリーランスであっても取引先やお客さまとの接点は必ずといっていいほど出てきますよね。
文面だけのやりとりであっても、
人 対 人
のつながりです。
意思疎通をおこなう上で、コミュニケーションスキルは必要となるでしょう。
また、表面上ではわかりにくいのですが『マーケティングスキル』も接客業で身につけられます。
マーケティングとは簡単に「商品やサービスが売れる仕組みを作ること」と表現されます。
店舗づくりや運営、ディスプレイなどを担当したことがある販売員は「商品をどのように見せていこうか」ということを、つねに考えているはずです。
お客さまの動向や会話からみつかるニーズ、時期、価格、例年の売れ行きなど、あらゆるデータを集約してお店づくりをしているのではないでしょうか。
この流れがまさに、マーケティングの一部!
売上拡大をめざしている企業であれば、マーケティングスキルは必然的に必要とされるのです。
普段なにげなくこなしていることが『スキル』として認識できると、少し自信がわいてきませんか?
自信もわくし、なにかに活かせないかな?って考えるきっかけにもなる!
ほかにも接客業で得られるスキルはたくさんあります。
つぎの章から順に紹介していきますね!
接客業に必要なスキル
まずは、接客業に必要とされている5つのスキルから紹介します。
- コミュニケーションスキル
- 観察力
- 提案力
- 傾聴力
- 質問力
お客さまの悩みを聞き、ピッタリあう商品を提案することがお仕事の販売員。
上記5つのスキルが無くては、販売のお仕事が成り立ちません。
以前より個人売上が伸びているなと感じている方は、これらのスキルが伸びている証拠!
以前と今の接客スタイルを、よーくくらべてみてください。
この中に、身についているスキルがあるはずです。
探してみましょう♪
個人売上が伸び悩んでいる方は、こちらの記事がオススメ↓
コミュニケーションスキル
お客さまとの接点が多い接客のお仕事には、コミュニケーションスキルが必須。
ほしい物がある。
リフレッシュしたい。
お買い物をたのしみたい。
など、お客さまにより来店の動機はさまざま。
個々の要望を満たすために、お話を伺うことやサービス・商品の提供をおこないます。
一方、お客さまに対してだけではなく、スタッフ同士の意思疎通もスムーズな店舗運営には欠かせません。
入店しやすい雰囲気づくりのため。
よりよいサービス提供のため。
効率的な業務遂行のため。
自分一人でつくり上げるのは非常にむずかしい。
『 自分-お客さまースタッフ 』間のバランスが大切です。
お客さまともスタッフとも分け隔てなく接し、活気ある店内を作ることが得意な方は、高いコミュニケーションスキルをもっているといえるでしょう。
観察力
観察力とはお客さまへの「興味」の表れです。
今日はなにを探しているのかな?
どんなテイストのファッションが好きなのかな?
お客さまを知るためには、その日の様子を観察する必要があります。
着ている洋服のテイストから好きなファッションのテイストを予測したり、手に取っているアイテムから探しているものを予測したり、お客さまを観察することで商品の提案がスムーズにおこなえますよね。
会話をする前からお客さまのニーズを察知できている販売員は、観察力に長けている可能性が高いでしょう。
提案力
売上に直結するスキルといえば、この提案力です。
決定率やセット率がたかくなったと感じている販売員は、お客さまのニーズをしっかりつかめているということ。
また、提案力の高さはお客さまに信頼感を与えます。
「いつも自分にピッタリのものを紹介してくれる」
そのようなスタッフに、また接客してもらいたいと思いますよね。
おのずとリピーターが増えていき、さらなる顧客満足度と売上アップが見こめるでしょう。
数字として結果がともなっているのなら、その提案力にもっと自信をもって!
傾聴力
傾聴力とは、お客さまの声に耳をかたむけ熱心に聴くスキルのこと。
お客さまの本心を引きだす上で、大切なスキルのひとつです。
表情や口には出さなくても、1を伝えたら10わかってくれる販売員をお客さまは求めています。
ただ聞くだけでなく、なにを伝えたいのか、または求めているのかを想像しながら聴く姿勢が信頼感・安心感につながりますよ。
お客さまの声をその場で終わらせず次につなげられるスキルは、どの分野でも必要となるでしょう。
「そうそう、それそれ!それがほしかったの!」という反応を得られている方は、声にない深いニーズ詮索ができているのではないでしょうか?
質問力
的確な質問は、お客さまの頭の中を整理させベストな商品とめぐり合わせることができます。
お客さまの中には「なにがほしいのか」「なにが必要なのか」を把握していない方が多くいらっしゃいます。
その場合、販売員の質問がお客さまの答えを導き出す有効な手段となるから。
また、的確な質問は接客時間の短縮にもつながります。
限られた時間内でいかに多くの接客をこなせるかは、店舗売上に大きくかかわる重大任務ですよね。
他のスタッフより明らかに接客回数が多い販売員は、お客さまへの的確な質問のおかげかもしれません。
本章では「接客業といえば!?」に代表する5つのスキルを紹介しました。
でも、それ以外にも身につくスキルが実はあるんです。
つぎの章では、私が販売員をするなかで身についた『意外な』スキルを3つ紹介しますよ~!
接客業で身についた意外なスキル
前章5つのスキルは、お客さまへ向けたものがほとんどでした。
ここでは『接客シーン』以外で身につくスキルを紹介します。
私が販売員をしながら「意外だな!」とおもったスキルはつぎの3つ。
- マルチタスク
- マーケティングスキル
- マネジメントスキル
後輩が入ってきたりポジションが上がったり、接客以外の業務を任せられるととくに必要に迫られるのがこれらのスキルです。
まだ接客経験しかないよ~
という方も、これら3つのスキルを意識し伸ばすことは可能です。
どの場面で実感できるのか、順にみてみましょう。
マルチタスク
販売員って接客だけが業務内容だと思われがちですが、なかなかいろんな業務をこなしているんです。
- 接客
- 電話対応
- レジ操作
- 品出し
- バックヤード整理
忙しい時期なんて一度に2,3人を接客することは当たり前だよね。
副店長・店長クラスになると、業務内容はさらに拡大されます。
- 顧客管理
- 売上管理
- 日報・週報・月報
- レイアウト変更・分析
- 本社、テナントとの連絡業務
- 在庫・備品発注
- スタッフ指導・育成
- シフト管理
※ショップ、店舗により業務範囲はことなります
いかに効率よく回せるかは、自分が立てたスケジュール次第。
すべての業務を並行しておこなわなければなりませんが、メイン業務は「接客」です。
事務作業、裏作業をスピーディーにこなして一人でも多くのお客さまに対応する。
作業内容の把握
↓
優先順位の振り分け
↓
スケジュールへの落とし込み
↓
タスク消化
この流れを習慣化してから、苦手だった『マルチタスク』をこなせるようになりました。
マーケティングスキル
前章「接客業で身につくスキルの汎用性」でもお伝えしたように、ショップで売れる仕組みを考える過程は小規模であるもののマーケティングの一部です。
売れる『仕組み』となると、行き当たりばったりの偶然では成り立ちません。
過去の売上データから商品動向や顧客属性など、あらゆるデータ分析をおこない『継続的な』数値結果が求められるからです。
- 主力商品はなににするか?
- なにをどこにどのように見せるか?
- ショップ内をどう回遊してもらうか?
くわえて、日々ことなるニーズに合わせた微調整も必要となりますね!
まずは提案商品の分析から。
ディスプレイを担うなら、お客さまの動きを把握することから意識してみてください。
少しずつ売れ筋の傾向をつかめるようになりますよ。
マネジメントスキル
副店長・店長職につくと、マネジメントスキルの有無が店舗運営に大きく影響します。
スタッフごとに適切な仕事を割り振れるかそうでないかで、その日の仕事の流れが良くも悪くもなるから。
とくに販売職となると、スタッフの力量や業務範囲は以下の基準でことなります。
- 販売職の経験年数
- そのショップでの在籍年数
- 雇用形態(アルバイト・契約社員・正社員)
スタッフそれぞれの個性を理解し仕事の割り振りが正確であるほど、個人にかかる負担も軽減され円滑な店舗運営ができますよね。
その司令塔となるのが、副店長・店長職なのです。
与えられた業務だけをこなせばいいわけではありません。
統率力 × チームバランス × 業務遂行力
これらが必要とされるマネジメントスキル保有者は、どの企業でも求められてます。
私の経歴は副店長どまりでしたが、店長と各スタッフとの間に挟まれたことは、両者のことなる視点に気づけた貴重な経験です。
個々の長所短所を活かしながら効率的に仕事をこなしていく「むずかしさ」や「たのしさ」は、接客業をしながらでも学べますよ。
転職して気づいたスキル
私はアパレル販売員からWebライターへと転職し、副業としてブログも運営しています。
(転職理由についてはプロフィールをご覧ください)
業種も職種もことなりますが、販売員時代に培ったスキルにたすけられる場面がいくつかありました。
Webライター・ブログ運営の過程で、気づかされたスキルを紹介しますね♪
Webライター業をとおして
コミュニケーションスキル
会社には属さずフリーランスという形でWebライターをしていますが、お仕事を受注する以上「人」と関わることは避けられません。
ここで活かされるのがコミュニケーションスキルです。
老若男女とわず、お客さまや仕事関係の「人」たちとつねに接してきた販売員時代。
たとえ文面であっても、相手に嫌な感情は抱かせたくありません。
お互いに気持ちよく過ごせる言い回しが、感覚的に身についていました。
マルチタスク
自身でスケジュール管理をしなくてはならないWebライター。
受注数で月ごとの売上が変わるので、日々のタスク管理は必死です。
ただ、一日にこなすタスク量としては販売員の頃も負けてはいませんでした。
日・週・月のスケジュールの立て方はしっかり身についています。
自分のレベルと相談しながら、こなす量を調整していますよ。
ブログ運営をとおして
お客さまニーズの把握
ブログは読者の悩みを解決する記事を、ウェブ上に公開するもの。
「なにに悩んでいるのか」「なにが知りたいのか」をつねに意識しています。
↑これって、接客業の得意分野ですよね。
しかも、悩みを解決したときの「ありがとう」の言葉は何度きいても飽きません!
これを聞きたいがために、お客さまの悩みに寄り添うのです。
たくさんの悩みに耳を傾けてきた経験が、今活きてると実感!
色彩感覚
たくさんの服に囲まれ、その枚数分の組み合わせをしてきたアパレル販売員時代。
目を引く組み合わせ、イマイチな組み合わせ、個性的な組み合わせなど、その感覚は知らないうちに身についています。
ブログを作り上げる過程でも「自分はこう見せたい!」という部分で困ることはありませんでしたし、デザイン面において苦痛なくたのしめています。
とくにアパレル販売員さんは、色や配置バランスにこだわりのある方が多い印象なので、そういったクリエイティブな分野に手をつけてみると発見があるのではないかと思います。
秘密にしてるけど、じつはWebデザインにも興味がある…♪
まとめ:持っているスキルに気づけることが大事
接客業は必要な資格もありませんし、だれもが挑戦できるお仕事です。
だからといって、特別なスキルが身につかないのか?
決してそうではないことを、本記事ではお伝えしました。
少なくとも以下5つのスキルは、真摯にお客さまと向き合っている方なら身についていくスキルです。
接客業に必要なスキル
- コミュニケーションスキル
- 観察力
- 提案力
- 傾聴力
- 質問力
さらに、接客シーンにかかわらず次のような意外なスキルも習得可能。
接客業で身についた意外なスキル
- マルチタスク
- マーケティングスキル
- マネジメントスキル
身についたスキルに気づけるだけでも、自信がつきませんか?
しかも、そのスキルを活かす道は1つだけではありません。
「こんな仕事がしてみたかった」
「興味があるけど遠い存在だった」
意外とできることってあるんです。
やりたい!と思っていたことが、少しでも身近に感じられましたら嬉しいです♪